卒論・レポートの構成について

卒論・レポートの構成について

論文の構成は悩ましいところです。運よく懇切丁寧な教官の指導を受けられたら良いのですが、なかなかそれもままならないこともあるでしょう。オンラインでの質問や指導にも限界があります。ここでは論文の構成について基本的なことをシンプルに説明します。少しでも不安を軽くして大切な研究結果をうまく論文にするヒントになればと思います。

 

論文は構成でほぼすべてが決まる

論文を書くのは研究成果を発表するためです。
そしてもちろんその論文でできるかぎり良い評価を受けたいと思うはずです。
しかし自分の頭の中では研究成果を理解できていても、そのことをわかりやすく説明するのは案外難しいものです。
そこで論文の構成がカギになってきます。

頭の中を整理していきましょう

はじまりから結果まで の流れを見ていきましょう。
ひとつずつ確実に見ていきます。これまでどんなことをしてきましたか?
論文の発表の場では、なぜその研究をすることになったのか実験ではどんな方法を使ったのか、例えば「君はなぜそう思ったのか」、「なぜそう判断したのか」、など先生方によっては容赦なく質問攻めをされることもあります。
それが多数の研究者が集まる学会での発表となれは、さらに集中攻撃のような気分になることもあります。もちろん担当教官が援護してくれるとは思いますが。
もしそんな機会に備えるための論文であっても、堂々と発表できる論文には構成がポイントになってきます。
ただ、論文の構成といってもそんなに難しく考える必要はありません。
順序だててこれまでのことをすっきりと説明することを考えればよいのです。

序論となるのが
1.なぜその研究テーマにしたか 
研究の背景や動機といわれるものです。
そのテーマを選んだ理由、研究すべきと考えられる背景、自身の動機づけをしっかりと説明します。

2.その研究にはどのような目的があるのか
研究することでどのような効果が得られるのか、研究の意味を具体的に説明します。
研究への道のりを文章にすることから始めればいいのです。

3.研究のために準備したものや実験方法など
ここで明らかにしていきます。
手順などは絵や図表あるいはデータを用いながら示していきます。
研究の具体的な記録が根拠となるからです。
序論には研究にあたっての課題や取り組みなどの基本的なことを含めるのが望ましいです。

4.考察
研究の中で起きたことに対しての考察を述べます。
たとえば実験の手順を途中で変更した経緯や、道具、時間などを変えたのはどのデータをどんな判断で評価したことによるものか、など詳細を明確に述べます。
たとえばなぜこの文献から引用したのか、あるいは過去にはどのような研究手法があってその際に得られた結果はこうであったが、今回それとは異なるアプローチで実験してみることになった、それはなぜか、といったことの詳細についてもれなく書きます。

5.研究結果
研究によってどのような結果が出たのか、目的に対してどのようなデータが得られたのかを詳しく説明します。

.結論
最後に研究結果からの結論を述べます。
なぜその結論を導いたのかを説明する締めくくりの章です。

7.謝辞
研究に際して協力していただいた先生方や研究室のスタッフのみなさんなどを忘れずに記載します。

企業との共同研究があり、利益相反などの有無がある場合には、そうしたことも情報として明示したほうがいいでしょう。

論文の構成は、研究についての流れを順序だてて説明することを考えると作成できます。
序論、本文、結論、という順序です。
序論で背景や動機を明らかにしたうえで続けて本文で研究の流れを詳細にわたって説明するわけです。結論が妥当なものであることが理解されるようにこうして詳細を順序良く、分けて説明するわけです。
記録やデータを上手く用いながらなぜそうしたのか、なぜそうなったのか、をわかってもらえるように順序良く文章をつなげていきましょう。

もし、自分では書きにくい、と心配な方はお問い合わせフォームからご連絡くださいませ。

 

参照サイトURL
https://web.wakayama-u.ac.jp/~sakama/sotsuron/sotsuron.html
http://www.f.waseda.jp/kane/sp_sotsuken/chap_2.html
http://isabelle.cc.kyushu-u.ac.jp/~amano/how_to_write/#kousei
https://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/020227AMA.html